No.8004725

たけのこ（新美南吉）

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引用元
  1. No.1
    たけのこ
    takenoko
  2. No.2
    新美 南吉
    niimi nankiti
  3. No.3
    たけのこは　はじめ　じびたの　したに　いて、あっち　こっちへ　くぐって　いく　もので　あります。
    takenokoha hajime jibitano sitani ite,atti kottihe kugutte iku monode arimasu.
  4. No.4
    そして、あめが　ふった　あとなどに　ぽこぽこと　つちから　あたまを　だすので　あります。
    sosite,amega hutta atonadoni pokopokoto tutikara atamawo dasunode arimasu.
  5. No.5
    さて、この　おはなしは、まだ　その　たけのこが　じびたの　なかに　いた　ときの　ことです。
    sate,kono ohanasiha,mada sono takenokoga jibitano nakani ita tokino kotodesu.
  6. No.6
    たけのこたちは　とおくへ　いきたがって　しようが　ないので、おかあさんの　たけが、
    takenokotatiha tookuhe ikitagatte siyouga nainode,okaasannno takega,
  7. No.7
    「そんなに　とおくへ　いっちゃ　いけないよ、やぶの　そとに　でると　うまの　あしに　ふまれるから」と　しかって　おりました。
    [sonnnani tookuhe ittya ikenaiyo,yabuno sotoni deruto umano asini humarerukara]to sikatte orimasita.
  8. No.8
    しかし、いくら　しかられても、ひとつの　たけのこは　どんどん　とおくへ　もぐって　いくので　ありました。
    sikasi,ikura sikararetemo,hitotuno takenokoha dondon tookuhe mogutte ikunode arimasita.
  9. No.9
    「おまえは　なぜ　おかあさんの　いう　ことを　きかないの」と　おかあさんの　たけが　ききました。
    [omaeha naze okaasannno iu kotowo kikanaino]to okaasannno takega kikimasita.
  10. No.10
    「あっちの　ほうで　うつくしい　やさしい　こえが　わたしを　よぶからです」と　その　たけのこは　こたえました。
    [attino houde utukusii yasasii koega watasiwo yobukaradesu]to sono takenokoha kotaemasita.
  11. No.11
    「わたしたちには　なんにも　きこえやしない」と　ほかの　たけのこたちは　いいました。
    [watasitatiniha nannnimo kikoeyasinai]to hokano takenokotatiha iimasita.
  12. No.12
    「けれど、わたしには　きこえます。それは　もう　なんとも　いわれぬ　よい　こえです」と　その　たけのこは　いいました。
    [keredo,watasiniha kikoemasu.soreha mou nantomo iwarenu yoi koedesu]to sono takenokoha iimasita.
  13. No.13
    そして　どんどん　はなれて　いきました。
    sosite dondon hanarete ikimasita.
  14. No.14
    とうとう　この　たけのこは　ほかの　たけのこたちと　わかれて、かきねの　そとに　あたまを　だして　しまいました。
    toutou kono takenokoha hokano takenokotatito wakarete,kakineno sotoni atamawo dasite simaimasita.
  15. No.15
    すると　そこへ　よこぶえを　もった　ひとが　ちかよって　きて、「おや、おまえは　まいごの　たけのこだね」と　いいました。
    suruto sokohe yokobuewo motta hitoga tikayotte kite,[oya,omaeha maigono takenokodane]to iimasita.
  16. No.16
    「いえいえ、わたしは、あなたの　ふいて　いらっしゃった、その　ふえの　こえが　あんまり　よかったので、
    [ieie,watasiha,anatano huite irassyatta,sono hueno koega anmari yokattanode,
  17. No.17
    こっちへ　さそわれて　きました」と　たけのこは　こたえました。
    kottihe sasowarete kimasita]to takenokoha kotaemasita.
  18. No.18
    さて、この　たけのこは　おおきく　かたく　なった　とき、りっぱな　よこぶえと　なりました。
    sate,kono takenokoha ookiku kataku natta toki,rippana yokobueto narimasita.